介護うつにならないため支援策

急速な高齢化に伴い、介護の需要が高まる一方で、介護業界の人材は常に不足が見られている。そのため、高齢者を施設に預けるのではなく、自宅で家族が世話する「在宅介護」を選ぶケースも少なくない。とはいえ、在宅介護によって家族が疲弊してしまい、メンタルヘルスを損なってしまうという「介護うつ」の問題が近年クローズアップされている。特に、大切な家族が認知症を患い、さまざまな面で衰えていくのを見て虚しさや強いストレスを感じてしまうのだ。

介護うつへの主な対策としては、市町村が提供する支援策を活用することだ。各自治体の福祉課では、在宅介護に関するセミナーや相談会を開いているケースが多く、介護福祉士などが相談に乗ってくれるケースもある。そうした機会に同じ悩みを抱える人たちと交流を持ち、互いに意見を交換することもストレスの軽減につながるはずだ。

デイケアやデイサービスを利用するのも介護うつ対策として有効だ。デイケアは主に医療施設が提供するサービスで、医師や介護士がリハビリの指導や栄養改善のアドバイスなどをしてくれる。デイサービスは介護施設が提供するサービスで、介護スタッフが朝から夕方まで食事介助や排泄介助、入浴介助などを代行してくれるものだ。自宅まで送迎をしてくれるので、在宅介護をしている人は夕方まで自由な時間を持つことができる。この間に気分転換で少し出かけたり、美味しいものを食べたりすることでストレス発散をしているという人は少なくない。